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バイアグラをめぐる報道まとめ

バイアグラをめぐる報道まとめ

バイアグラによる死亡事故の実態

1998年にアメリカで、1999年に日本で認可されてから、瞬く間に大ヒットとなったED治療薬のバイアグラですが、間違った使用方法により発売当初に死亡事故が相次ぎました。

そのことから「バイアグラは危険な薬なのでは?」「お酒を飲んでからバイアグラを飲むと、危険らしい」などバイアグラに関する誤解がいまだに一部で残っています。

バイアグラは、狭心症や心筋梗塞に使用されるニトログリセリンと併用してはいけません。
また大量のアルコール摂取は薬効を変動させる恐れがあるため、バイアグラだけではなく医薬品全般で注意すべき点です。

このような誤った服用方法をおこなった点は報道されずに死亡したという事実だけが大きく取り上げられたため、バイアグラは危険という誤解が生まれてしまったものと考えられます。

このページでは死亡事故の実態、およびEDを改善するための薬であるバイアグラをめぐる報道に関して説明します。

目次

  1. いち早く「夢の薬」を手に入れた男たちに起きた事例
  2. マスコミが大きく取り上げたバイアグラ関連ニュース
  3. バイアグラ服用は必ずしも危険ではないという事実
  4. 関連ページ

いち早く「夢の薬」を手に入れた男たちに起きた事例

海外で起きた症例

1998年3月下旬にアメリカにてバイアグラが発売されて以降、1998年6月8日時点で16例の死亡症例がFDA(アメリカ食品医薬品局)に報告されました。

16例の内10例が冠状動脈疾患の危険因子(心疾患の既往歴、高血圧、脂質異常症、糖尿病、肥満、喫煙)を1つ以上有しており、16例中3例に併用禁忌とされるニトログリセリンが投与されていました。

また、1998年7月までには123症例もの死亡例がFDAに報告されました。
123例の内、12例は米国外の患者、30例は不確実な報告(噂・マスコミなど)、12例はバイアグラの服用は不明とされており、残り69例が米国におけるバイアグラ服用後の死亡症例でした。

69例の内12例においてバイアグラとは併用禁忌とされているニトログリセリン等の硝酸系製剤を服用しており、51例では冠状動脈疾患の危険因子を1つ以上有していました。

また心疾患や危険因子の診断歴がなかった患者で、病理解剖により重篤な冠状動脈疾患が見つかった例が3例確認されました。
5例は心疾患の既往歴や危険因子を持たなかったと報告されています。

発売開始後、夢の薬として急激に広まり、1998年3月末の発売開始から7月までの間に360万、11月中旬までには600万人を超える処方せんが発行されました。
急激な普及により、「夢の薬」という点だけが大きく注目され、適正使用の認知が遅れた可能性があります

日本国内での症例

日本においては、1998年7月15日に厚生労働省よりバイアグラ服用後の死亡例が確認された旨が報告されました。

日本におけるバイアグラの承認は1999年1月25日、製造販売元であるファイザーより市販が開始されたのが1999年3月23日のため、本事例は日本においてバイアグラが認可される前の出来事となります。

患者は60代の男性であり高血圧・糖尿病・不整脈、いずれの合併症も治療中であり、ニトログリセリン貼付剤等を使用していました。

1998年7月上旬に個人輸入により入手したバイアグラを1錠服用後、性行為をおこなったと考えられています。
そして服用約2時間20分後に家族が異常に気付き救急車を要請しましたが、救急隊が現場に到着した時点で患者はすでに心配停止状態であり、直ちに医療機関へ搬送されました。

心肺蘇生を試みるも蘇生することなく、服用約3時間半後に死亡しました。
死因は不明、また服用した用量も不明とされています。

当時、すでに承認がおこなわれた米国内においてバイアグラは医師の診断・管理下で使用される薬剤でしたが、日本においては未承認の状態だったため個人輸入による安易な使用がおこなわれていました。

そのため、安全性に問題があると厚生省(現:厚生労働省)は注意喚起を促しました。
厚生省が未承認薬による事故を発表するのは異例のことです。

要因は禁忌の確認不足である可能性

バイアグラは「硝酸剤あるいは一酸化窒素供与剤(ニトログリセリン、亜硝酸アミル、硝酸イソソルビド等)を投与中の患者」や「心血管系障害を有するなど性行為が不適当と考えられる患者」に投与してはいけない、投与は禁忌であると明確に謳われています。

製造販売元であるファイザーからは患者向けの医薬品ガイドや、医師から患者に手渡すパンフレットなどでも患者に注意するよう呼びかけがおこなわれています。

実際に上記の海外および国内で発生した死亡例を見てみると、併用禁止薬であるニトログリセリンとバイアグラを併用した例が目につきます。

また冠状動脈疾患の危険因子(心疾患の既往歴、高血圧、脂質異常症、糖尿病、肥満、喫煙)を1つ以上有する患者が、バイアグラを服用している例も散見されています。

つまり発売開始後に相次いだ死亡例の大半は、本来であればバイアグラの投与が禁忌であるにもかかわらず医師による患者の背景確認の怠りか、もしくは患者自身が禁忌であることを認識していなかったために誤って服用してしまい発生したと考えられます。

「夢の薬」としてその薬効のみが注目され急激な勢いでバイアグラが普及したことにより、併用禁忌の情報を含む適正使用の確認が疎かにされてしまった結果起きた事故ばかりといえます。

マスコミが大きく取り上げたバイアグラ関連ニュース

過剰投与で死にかけたお笑い芸人

バイアグラの過剰摂取で死にかけたお笑い芸人がいます。
皆さんご存知でしょうか?それが江頭2:50さんです。

彼がバイアグラの過剰摂取という暴挙にでたのは1997年のことです。
密かにアメリカでも認可前のバイアグラを⼊⼿した江頭さんは、バイアグラ服用前も相当量のブランデーをすでに摂取していたと言われています。

そんな状態のなか、周囲のウケを狙ってか中野のパブで⼥性ホステスを目の前にしてバイアグラ5錠を「俺は不死⾝だ~」と叫びながらブランデーの⽔割りとともに⼀気に飲みほしたそうです。

その後間もなくして卒倒、救急⾞で病院に運ばれることとなりました。
診断の結果は急性アルコール中毒でした。

バイアグラの血管拡張作用により、全身の血流が良くなったところに大量のアルコールを摂取したことが原因だったようです。

また江頭さんが所持していたバイアグラは50mg錠であり、250mgを一度に服用したことになります。
バイアグラの適応用量は1日1回25~50mgであることからわかるように、異常なまでの過剰投与です。

そもそもED治療薬とはその名の通り医薬品ですので、使用方法を間違えれば毒にもなり、場合によっては死に至っていた可能性も考えられます。

本件をめぐって、厚生省(現・厚生労働省)内で、バイアグラの承認をめぐり議論が巻き起こったとされています。
一説では本件の影響で認可が遅れたとも言われています。

高山病対策でバイアグラを購入した大統領府

2016年11月、韓国大領府が公費にてバイアグラを364錠購入していたことが発覚しました。

バイアグラ60錠を375000ウォン(約33,750円)、バイアグラのジェネリック医薬品である韓国ハンミ薬品のパルパル錠304錠を456,000ウォン(約41,040円)で購入したとのことです。

大統領長官は「朴大統領のアフリカ諸国訪問を前に高山病対策で購入した」と説明しました。

実際に朴大統領は2015年5月25日から12日間、エチオピア・ウガンダ・ケニアのアフリカ3ケ国を訪問しています。

3か国の首都の標高は高く、エチオピア首都アディスアベバは標高2,400m、ウガンダの首都カンパラは1,200m、ケニアの首都ナイロビ1,600mと高地です。

報道官は「アセタゾラミドが高山病予防に有効だが、2015年4月に南米を訪問した際はアセタゾラミドだけではコントロールできなかった。
そのためアフリカ訪問にはバイアグラを持参した」と説明しました。

しかしバイアグラが高山病に有効だというのは研究段階の話であり、もちろん適応はなく臨床的に効能は実証されていません。

一部の登山家は高山病の一種である肺水腫(肺に水が溜まってしまう病気)の予防目的でバイアグラを使用しているといわれていますが、この大量購入の説明になっているのか疑問の声も上がっています。

流行語にまでなった「バイアグラ100ml男」

かつておしどり夫婦と言われながらも2017年に離婚した俳優、船越英⼀郎さんと⼥優、松居⼀代さんの元夫婦についてもお話ししましょう。

離婚に至るまで泥沼状態となった二人でしたが、その中でも松居一代さんがブログで発した船越英一郎さんを表現した言葉「バイアグラ100ml男」は多くの衝撃を世間に与え、流行語にまで発展したのは記憶に新しいかと思います。

この離婚騒動が表面化したのは2017年7月6日のことで、翌7月7日、松居一代さんはブログで「さあバイアグラ100ml男 船越英⼀郎と全⾯戦争、はじまりますよ」と高らかに宣言しました。

船越英一郎さんの不倫疑惑に怒りを募らせ、「みなさん、わたしは、バイアグラ男の船越英⼀郎は絶対に許しません」と発言したのです。

松居さんは、You Tubeにて船越さんは糖尿病かつ勃起不全であり、バイアグラを飲み、ハワイ在住の自身の友人と不倫していると暴露しています。

なお、バイアグラ100ml(100㎎)というのは日本人にとっては過量投与です。
日本で承認されている用量は1日1回25~50㎎となります。

不倫の真偽は今となっては分かりかねますが、不特定多数の人がみられる場で性生活を暴露するというやり方は非常に品がなくフェアではありません。

全世界に向けて公表されてしまった船越さんに同情を感じた人も少なくないでしょう。

バイアグラ服用は必ずしも危険ではないという事実

バイアグラとは、適応と用法用量を遵守した上で正規品を使用するなら決して危険な薬剤ではありません。

発売開始から約20年弱経過してもなお多くに人々が使用している現状を考えても、その薬効および安全性が証明されている点は納得いただけるでしょう。

実際に、適応および用法用量を守った状態での安全性は市販後調査にて長期にわたって検証されています。

しかしながら、過剰摂取や併用禁忌であるニトログリセリンとの併用、心血管系障害を合併している人の服用により重篤な被害が発現しています。

これは同じ有効成分シルデナフィルが使われているバイアグラジェネリックも同様ですので、バイアグラをはじめとしたED治療薬を使う際には服用方法だけではなく併用禁忌薬や注意事項を確認しなければいけません。

さらにバイアグラやそのジェネリック医薬品には、多くの偽物も出回っています。
偽物は悪質なものが多く、お金を無駄にするだけではなく深刻な健康被害を招く危険もあります。

そうならないためにも、自身の状態をしっかり把握し飲み方や併用してはいけない薬を事前に確認して適正にご使用ください。

参考文献

日本薬剤師会調査

バイアグラ

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