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ED(勃起不全)診断のアルゴリズム

ED(勃起不全)診断のアルゴリズム

ED症状を感じたら

もしかして自分はED(勃起不全)ではないかと、だれもが1回ぐらいは疑ったことがあるのではないでしょうか。

パートナーとの性行為の際に「まったく勃起しなかった」「性行為の途中で中折れしてしまった」「性行為するために十分な硬さが得られなかった」ことがあったとしても、そのあと普通に勃起していれば何の問題もありませんが、その状態が続いた場合はEDになっている可能性があります。

不安や疑いを改善させるためにも、EC治療ガイドラインをもとに、セルフチェックや診察と検査について知ることが大切です。

目次

  1. ED診断前に
  2. ED診断の手順
  3. ED治療は軽度のうちに
  4. 関連ページ

ED診断前に

EDは勃起しない、中折れする、硬さが弱まるなどのわかりやすい症状ばかりなので、パートナーとの性行為に及んだときほとんどの男性が先に気付きます。

ですが、病院でどういった診察と検査をされるのか、プライバシーは守られるのか、デリケートな内容を話すことは恥ずかしい、または、ED治療をすれば以前と同じように性行為ができるようになるのか不安に思う方もいるでしょう。

また男性としてのプライドが邪魔になり、EDであることを認めたくない気持ちが先行する方もいます。
そのため、専門機関で確かめず具体的な対策をとらないことで、EDを悪化させるパターンも少なくありません。

また近年ではEDが心筋梗塞や脳梗塞の前兆といわれ、放っておくと命にかかわる事態になることも考えられます。

これらの研究が進んだのは1999年にバイアグラなどED治療薬が日本で発売された影響で、EDの研究も盛んにおこなわれるようになったためです。

治療に使われるED治療薬についても副作用や体に悪影響があるのではないかと心配される方もいるかもしれませんが、名前のよく知られているバイアグラとは媚薬や精力剤ではなく、体の内側からEDを改善するものです。

このバイアグラの販売を皮切りに、その後レビトラシアリスなどの勃起薬も製造され、EDの治療に欠かせない薬になっています。

これらのED治療薬とは、勃起を鎮めるPDE5(ホスホジエステラーゼ5)の働きを抑え正常な勃起を促す医薬品で、心因性ED、器質性EDのどちらにも高い効果を発揮します。

研究の成果の一つがED治療ガイドラインですが、このおかげでEDを疑ったとき、パートナーに気づかれないようにEDのセルフチェックができるようにもなりました。

ED治療ガイドラインとは、ED治療を効率的に専門外の医師でも共通した治療ができるプログラム、つまりアルゴリズムの考え方に基づいたものですので信頼性の高いガイドラインです。

セルフチェックシートは、PDE5阻害薬を販売している製薬企業やED専門クリニックのホームページに公開されています。

内容は、勃起させる自信、性行為することができたか、勃起の維持、性行為終了まで到達できたか、性行為に満足できたかの5つの質問に答えるだけです。
結果はその場でわかり「疑いあり」「重症」「中等度」「軽症〜中等度」「軽症」「正常」のどれかに分類されます。

シンプルな設問ですが、EDを研究してきた結果に基づいた質問項目ですのでほぼ正確な結果が得られます。EDを疑ったときは、セルフチェックからはじめてみましょう。

SHIMスコア評価

SHIM(Sexual Health Inventory for Men:セクシャルヘルス インベントリーフォアマン)は、EDの診断や効果判定などに役立たせるために開発されたIIEF(International Index of Erectile Function:国際勃起機能スコア)の内の1つです。

IIEFを開発したのはバイアグラの開発元であるファイザーと、国際的に有名なレイモンド・C・ローゼンの研究チームです。

このIIEFは、過去4週間の「勃起の頻度」「射精の頻度」「性欲の頻度」「パートナーとの関係性」など合計15項目の質問に対して回答していく問診票になっています。
その後、IIEFをもとにIIEF-5、IIEF-6、SHIMなどが改良版として登場しました。

そのなかの1つであるSHIMは、日本人のEDを測定するスコアとしてもっとも相応しいものであるとED治療ガイドラインに書かれています。

その理由の一つとして、SHIMとまったく同じ5つの質問を持ったIIEF-5の回答に「性的刺激がなかった」「性行為を試みなかった」といった0点が加えられていて、諸外国の性文化とは異なる考え方を持つ日本人の性欲に合っているのではないかと日本性機能学会と日本泌尿器科学会により判断されたからでした。

またIIEF-5の5点からはじまるスコアの評価に対して性的刺激があったのかなかったのか、あるいは性行為を試みたのか試みなかったのかなどを曖昧な点を選択肢に入れられるようになっているのは、諸外国より日本人のED罹患(りかん)率が高い傾向にあり、日本ではセックスレスのカップルが多いと考えられているためです。

原因の特定

EDの原因は、一度も勃起したことのない原発性EDと、以前は正常に勃起していて現在EDになってしまった続発性EDの2つにわけられます。

一般的に続発性EDの方が多く、まれに原発性EDがいるといわれています。

続発性EDの原因としては、過去のエピソードが原因となる心因性、生活習慣病やうつ病などが原因となる器質性、心因性と器質性が混ざった混合性、常用の薬剤が原因となる薬剤性などがあげられます。

心因性EDは、パートナーから受けた性行為への叱責や性行為への緊張などが影響しているといわれています。

器質性EDは加齢、糖尿病、肥満、運動不足、狭心症、高血圧、心筋梗塞、脳梗塞、高脂血症、喫煙、テストステロン低下、うつ病、統合失調症、外傷、手術、睡眠時無呼吸症候群、男性更年期などが大きな要因になり、薬剤性EDは、降圧薬や抗うつ薬などの副作用が影響して発症するEDです。

EDは性行為によって気付く症状ですので、パートナーとのセックスレスが長期化しているとEDにかかっていることすら気が付かず、適切な改善策をとれないままどんどん悪化していくことにもなりかねません。

検査や治療を受けることで、ほかの病気の早期発見につながるケースもありますので、普段からご自分の状態を把握しておきましょう。

ED診断の手順

医療機関へ行くと、診察前の問診票への記入をしたのち医師による診察と検査をおこない、まずはEDかどうかの診断がなされます。

EDの診断には、考えられるいろいろな要因から関連する疾患を除外して導き出すことが重要なポイントになります。

ED治療は完治できないといわれていた数年前と違い、現在ではED治療ガイドラインで共通な診断と治療のアルゴリズムが確立されています。

ED専門の泌尿器科医だけでなく、内科医でもしっかりとした治療が受けられるようになっていますので、安心して相性のよい医療機関を選ぶと良いでしょう。

問診

問診は、診察を受ける前に実施するED診断の重要項目の1つです。
現在ほとんどの医療機関で使用している問診票は、日本人の性文化に合うといわれているSHIMスコアをもとにしたものとなっています。

当然のことですが、それらの質問事項は医師がEDになっているか判断できる内容ばかりですので、自尊心や羞恥心から嘘を書いてしまうと正確な診断ができません。

基本的に、病院やクリニックにおいて患者のプライバシーは守られます。
EDの治療をおこなっているクリニックでは、配慮として女性の受付をとっていないところもありますので、電話で確認しても良いでしょう。

問診票の内容は過去6ヶ月間に焦点を当て、勃起することができたか、勃起の維持状況、性行為への満足度などが含まれます。
また勃起の硬さを評価するスケールとして、EHS(Erection Hardness Score:エレクション ハードネス スコア)からのグレードも判断材料になります。

病歴確認

EDの診察に入る前に、ED用の問診票とは別に病歴を記入する問診票を渡されます。
これには今までの性的関係、パートナーとの性行為について、いままでにかかった病気と現在の状況、いまかかっている病気と常用している薬剤、アレルギーなどを記載します。

これは、EDがうつ病、糖尿病、高血圧、高脂血症、狭心症、心血管障害、脳梗塞、腎疾患、前立腺疾患などの疾患、脊椎や脊髄の手術、交通事故の後遺症、外傷と深く関わっていためです。

さらに上記の症状を治療するため処方される薬も、EDの診断に際し重要な項目になります。

また、いまの勃起の状況を具体的に確認するために性的刺激があったときの状況、レム睡眠時の勃起確認、勃起の維持時間、性欲の状況、射精、オルガニストなども記載します。

すべての問診でおこなわれるわけではありませんが、心理的な要因を診断するための心理テストによるCMI健康調査、不安度を測定するMAS、うつや認知を測定するSRQなどを実施する施設もあります。

すべての確認票は、リラックスして正直に記載しましょう。

ED治療ガイドラインには、この後に受ける診察も含めてパートナーとの同伴を推奨しています。
パートナーの状態や膣痛などを把握し、治療内容を共有できることで、ED治療の早期解決につながるためです。

身体チェック

身体チェックは、医療機関によって診察前に実施するところと診察と診断の間におこなうところがあります。

身体チェックの項目は、肥満度をチェックするための身長と体重と腹囲の測定、心臓や血管の状況を把握するための血圧と心拍数と心電図などの測定、神経が正常に反応するかを触診や器具を使って確認、陰茎に変形や障害がないかの確認、ホルモンなどの影響から精巣に萎縮がないかの確認、前立腺肥大や前立腺がんの確認などになります。

これらの身体チェックは、EDの原因を探るため、あるいはED以外の病気にかかっていないかの確認のためおこなわれます。

最近ではEDが心筋梗塞や脳梗塞の前兆だと考えられるようにもなりましたので、このような身体チェックはED治療ガイドラインでも重要な項目だとされています。

臨床検査

ED診断の際に実施される臨床検査は一般的な血液検査や検尿と同様の検査になるため、特別な身体への侵撃性などはありません。

検査項目は血糖値、総コレステロール、LDLコレステロール、HDLコレステロール、中性脂肪などのEDの原因となる数値が基本です。
またクリニックによって前立腺肥大や前立腺がんの腫瘍マーカーであるHS-PSAなどを追加することもあります。

病気というものは厳密に診断するのであれば、過去1年間の検査結果から各検査項目の値の推移を見て病状や原因を判断するものです。
その場合、かかりつけ医がついて何回かの通院を経ておこなうことになります。

しかしEDという特殊性のある疾患の場合、ほぼ全ての方が専門クリニックを受診し初診の検査になるため、過去の臨床検査と比較ができません。

なんらかの原因がED発症の一因になっていたとしても、過去のデータがない分、診断が難しくなります。

そこでED専門クリニックに行く前に、かかりつけ医に相談し過去の検査データを紹介状にしてもらうか、または会社で実施した健康診断の検査結果を持っていくなどすることでスムーズに診断を受けられるでしょう。

これらとは別に、テストステロンを測定することもあります。

テストステロンの検査は、ED治療でPDE5阻害薬を使用しても効果がなく、EDの原因である心因性、器質性、薬剤性など考えられうる原因が除外され、LOH症候群(加齢男性性腺機能低下症候群)を疑われたときにおこなわれます。

現在、LOH症候群診察の手引きには遊離テストステロンのみの測定が推奨されています。
つまりLOH症候群の検査として保険適応されるのは遊離テストステロンの臨床検査だけとなっています。

特殊診断検査

特殊診断検査は、EDの症状があり問診、身体チェック、臨床検査で診断が確定されなかったときに実施されます。

主な検査内容は、特殊な検査機器の使用や陰茎への薬剤投与を投与、CTや血管造影などです。
これは身体への侵撃性を伴う検査です。

はじめにおこなわれる特殊検査は、レム睡眠時に勃起をしているか測定する「夜間勃起現象(NPT)の評価」検査です。

夜間勃起現象(NPT)の評価検査は、陰茎に3晩連続で機械を装着させて測定します。
レム睡眠時に勃起が確認された場合は心因性EDとなり、勃起が確認されない場合は器質性EDと判断されます。

その後、ICIといわれるPGE1の陰茎海面体注射による検査をします。PGE1(プロスタグランジンE1)は血行を改善する薬剤です。
これを陰茎の左右どちらかの海綿体に注入することで、勃起を確認します。

このときの勃起のスコアは、反応なしから勃起が継続するまでの5段階にわけられています。
血管が正常の場合は勃起しますが、勃起が不十分な場合は陰茎動脈からの血流不全や静脈の閉塞不全が疑われます。

ここからさらに精密検査するには、陰茎内の血流の圧力を測定するカラードプラ検査、血管のどこが閉塞しているか検査するCTや血管造影などがおこなわれます。

深刻な心因性EDのため治療が困難な場合は、精神科医や診療内科医へかかることが推奨されています。

ED治療は軽度のうちに

1999年にバイアグラが日本で発売されてから、ED専門の泌尿器医によってEDの原因やそれに関係する疾患の研究が進められてきました。

その結果、EDは心筋梗塞や脳梗塞の前兆になっていることや、男性更年期との関係、LOH症候群との関係、うつ病との関係が少しずつわかってきています。

このように数年前には詳細が不明確なまま治療できないといわれていた勃起不全ですが、今では命に関係する病気が発見できる予兆やテストステロン低下の疾患との関係性などさまざまな研究結果が報告されるようになりました。

EDと重大疾患の関連性がわかってきた分、EDの初期発見は特に重要視されています。

EDは軽度のうちに発見して治療できるだけではなく、ほかの重大疾患も発見でき早期治療が可能になります。
そのためにも、EDの早期発見を心がけて怪しいと感じたら診察や検査を受けることが大切です。

参考文献

MSDマニュアル
ED診療ガイドライン

ED治療薬

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